「梓ちゃんのこと、好きなんだ。」


彼から言われた『好き』という言葉。
たまらなく嬉しかったけど、
今言われてももう 私たちは離ればなれなんだよね…


「私も……。」


今なら、私だって言えるよ。
でも、もっと早く言っておけば良かったかな…。

「梓ちゃんも、隠し事してるんじゃん。」

彼は、そう言って笑って、
私の頬に優しくキスをした。



「また、会えるよね?」
と私。

「会えるよ、絶対。」

指切りげんまんをして、
約束した。



そして彼は数日後、


引っ越してしまった。