「あ、あのっ…」 近いです。 そう言おうとしたら、あたしと葵君の間をさえぎるように、流騎さんがを差し出してきた。 「近いよ葵。会長困ったじゃん」 ……助かった。 葵君は口を尖らせてごめんと呟いた。 「会長やっぱり一位?」 「あっ、一位です」 「そうなんだ。やっぱり会長ってがんばり屋さんだね」 あたしの頭をくしゃくしゃと撫でる流騎。 ………認めたくないんだけど。 ……本当に、認めたくないんだけど。 最近、流騎が少し、 少しだけだけど… ――かっこいいと思ってきた。