棗は答えようとしない……


棗は優しいね。



玲よりも



莉緒よりも



ずっと



優しいね………



私は棗が怒られるのは嫌だよ……



だから、せめて………


「棗、キスして……」


棗はそっと私の頬に触れる。


「…バカだな。」


「……知ってるよ。そんなことくらい。」


棗は優しいキスをしてくれた。