「棗…………抱いて……」

棗に抱かれれば、棗と結婚できるんだ………



「……お前、そんなんで無理に決まってるだろ…」



いやだよ………



いや…………




莉緒が嫌いなわけじゃない………


でも………



でも、私はっっ


「……棗が………好き、なの……」


頬に涙が伝うのがわかった……



「………俺もだ。でも抱く事はできない。お前辛いだろ……」



「優しすぎるんだよ棗は………お父様に嘘ついてくれる?棗が最後だったって……」



本当はこんなことしたくない………


でもこれしか方法が無い………