「あぁ。疲れてねぇか?」

「大丈夫。」


いちいち私に気を遣うことないのに……


「そうか。」


棗は私に優しく触れる。



まるで繊細な硝子細工に触れるように……


「………ウッ………ゴホッッ………ゴホッッ……オエッッ…」


いきなり吐き気に襲われる………



なんで――



「凛!大丈夫か!?」


「………大丈夫。気にしないで……ゴホッッ………ゴホッッ………」


「凛、お前もしかして………」


妊娠してる……?


でも………


今お父様に伝えたら――




間違いなく、莉緒と結婚する事になる……



そんなのやだ…………