春のビンタ事件の後、あたしたち三人は職員室へと呼ばれた。


「お前ら…今日は一日自宅謹慎してろ!いいか?!わかったな?」
担任の桜井先生の声が静かな職員室に響く。
「「「はい…」」」
そう返事をしてあたしたちは職員室を後にした。

「ごめんね…うちのせいで…」
春が申し訳なさそうに綾実とあたしに言う。
「いいよ!春はなんもわるくないもん!」
「そーだよ!悪いのは侑汰の方だから!あ!そうだ!今日は自宅謹慎なんて気にせずにどっかぶらぶらしよっか!」
綾実の提案であたしたちは謹慎をバッくれることにした。


繁華街をうろついてると昼間ながら、ガラの悪そうな連中がウロウロしている。

「なぁーんか、制服だと目立つね」
春がそういった。
「だねぇ…!」
綾実が言う。

「なぁ!」
声がしたほうを振り向くといかにもガラの悪そうな3人組が立っていた。
「何ですか…?」
綾実か慎重に答える。
「…!隆?!」
春が赤い髪の人を指差してそういう。
「…春?!」
赤い髪の人も春を指差してそういう。
「なになにー?お前、この子とどーゆー関係?」
金髪の人が春の肩に手を回した。
「ちょっと、昔の連れ」

「この子らは?」
赤い髪の人があたしらを指差してそういう。
「あぁ!こっちは亜衣、こっちは綾実」
「よろしくー!俺、隆!気軽に“隆”ってよんでなあー」
「「あ…はい」」
「俺は修!“修”って呼んでー!」
金髪の人がいう。
「「あ…はい」」
「………」
「ほら、篤哉もなんか言えよー」

…!かっこいい…!

「…篤哉って呼んでください」

茶髪の篤哉がいう。

「あ、はい!」
「…?亜衣?」
「…え?…あ!なんでもなぁーい!」

なんか…一人だけ先走ってしまった…!

恥ずかしい!

「こいつ恥ずかしがりやだからぁー」
隆がいう。

「んま、仲良くしよーなぁー!」
「「「うん」」」


派手な三人組と分かれた。

「亜衣、篤哉のこといいなぁーって思ったでしょ?!」
春が目を輝かせながらそういう。
「え?!そんなことないって!!」
「また、その反応がそれっぽーい!」
綾実が言った。


…どうやらこの二人には隠し事は絶対できないみたいです…。