私は瑠璃(るり)。

 とある高校に通っているごく普通の女の子である。

 私の両親は健在ではあるが、共働きで家にいることが少ない。

 母親は外資系企業に、父親は優秀なシステムエンジニアで大企業に勤めている。

 二人ともあくせくと働いているため、小さい頃から私は一人家にいた。




 私はゆとりの無いどこか殺伐とした現実が大嫌いであった。

 寂しく暖か味のない家に一人でいるとよけいにその事を嫌でも感じていた。

 そして、いつしか私は"ここ"は私のいるべきところではないと思うようになっていた。

 他のどこかに居場所があるのだと……。

 その思うようになった事が現実と私との間に溝を作った。

 誰かにその溝を埋めて欲しかった。

 そんな時、突然"彼"が現れた。