仙太が尋ねると、セレビアは楽しそうな笑みを零しながら、長机の上にコツンと何かを置いて空兎へと差し出す。
「はい、これ。拾っておいたから」
「あはっ! アタシのケータイだ!」
それは確かに空兎がカラス・猫の集団に追いかけられたときに弾みで落とした水色の携帯電話だった。
半ば諦めていたようだったが、こうして戻ってきたことを、空兎は素直に喜びんでそれを受け取る。
「えっと、空兎のケータイを届けに来ただけですか?」
「これはついでよ、せっちゃん♪」
今度は仙太を新しい愛称で呼ぶセレビア。
「・・・・・・なんだか、それ女の子みたいですけど」
「可愛くていいじゃない♪」
仙太の小さな抗議は、セレビアの笑顔で一蹴されてしまった。項垂れる仙太を置いて、セレビアは話を続ける。
「本題はこれから。あなた達にちょっと教えてあげようと思ってね」
「何を?」
と、空兎。
セレビアはその空兎を指差して艶やかな笑みと共に告げた。
「あなたが持ってる“奇跡の起こし方”っていう本のことを、ね」
それを言われて、空兎はお腹に隠していた本を取り出し、長机の上に置いた。
「へぇ~、なんだか不思議な感じのする“本”ですね」
初めて見るジョーも、この本の只ならぬ雰囲気を悟ってか、興味を示し始めた。
だが、仙太はあまり良い顔をしていない。
「これ、ただのインチキ本じゃないんですか?」
「あらぁ、せっちゃんって、おカタイのねぇ。あんまりカタイと女の子に嫌われちゃうよ?」
「何の話っすか・・・?」
「さぁてね♪ 冗談はこれくらいにして、これは決してインチキでもなければ、普通の本でもないの」
セレビアがそう言うと、空兎が突然と身を乗り出す。
「わかってるよ、そんなこと! アタシは最初に見つけたときから、こう電波がピピピッて来たもん!」
得意気に告げるその横で仙太が密かに突っ込む。
(やばい電波を受信したんじゃないか?)
もちろん口には出さなかったが、そんな仙太の心中とは関係なく、話は進められていく。
「はい、これ。拾っておいたから」
「あはっ! アタシのケータイだ!」
それは確かに空兎がカラス・猫の集団に追いかけられたときに弾みで落とした水色の携帯電話だった。
半ば諦めていたようだったが、こうして戻ってきたことを、空兎は素直に喜びんでそれを受け取る。
「えっと、空兎のケータイを届けに来ただけですか?」
「これはついでよ、せっちゃん♪」
今度は仙太を新しい愛称で呼ぶセレビア。
「・・・・・・なんだか、それ女の子みたいですけど」
「可愛くていいじゃない♪」
仙太の小さな抗議は、セレビアの笑顔で一蹴されてしまった。項垂れる仙太を置いて、セレビアは話を続ける。
「本題はこれから。あなた達にちょっと教えてあげようと思ってね」
「何を?」
と、空兎。
セレビアはその空兎を指差して艶やかな笑みと共に告げた。
「あなたが持ってる“奇跡の起こし方”っていう本のことを、ね」
それを言われて、空兎はお腹に隠していた本を取り出し、長机の上に置いた。
「へぇ~、なんだか不思議な感じのする“本”ですね」
初めて見るジョーも、この本の只ならぬ雰囲気を悟ってか、興味を示し始めた。
だが、仙太はあまり良い顔をしていない。
「これ、ただのインチキ本じゃないんですか?」
「あらぁ、せっちゃんって、おカタイのねぇ。あんまりカタイと女の子に嫌われちゃうよ?」
「何の話っすか・・・?」
「さぁてね♪ 冗談はこれくらいにして、これは決してインチキでもなければ、普通の本でもないの」
セレビアがそう言うと、空兎が突然と身を乗り出す。
「わかってるよ、そんなこと! アタシは最初に見つけたときから、こう電波がピピピッて来たもん!」
得意気に告げるその横で仙太が密かに突っ込む。
(やばい電波を受信したんじゃないか?)
もちろん口には出さなかったが、そんな仙太の心中とは関係なく、話は進められていく。