電話の時はつれない態度だったけど、やっぱり助けてくれる。なんだかんだいって、優しい従兄だなぁ。
と、思うより、空兎はジョーの言う「ヒーローの勘」なるものに感激していた。
「ん~~~! ヒーロー最高っ!」
賛美の言葉に照れつつも、仙太を少し可哀想に思うジョーだった。
閑話休題。
その短い会話の間に箒で飛行しているセレビアは距離をつめていた。お姫様抱っこ状態の空兎にはそれがよく見え、自然と掻き抱いている“本”に力が篭る。
事情を把握していないジョーは、空兎に尋ねた。
「それで、これは一体どういうことなんです?」
「あの魔法使いがこの本を狙ってて、本を賭けての鬼ごっこプレイ中なのっ!」
「なるほど。それで、鬼はあの魔法使いなんですね!」
「うん! アタシが勝つにはこの本持って学校まで行かなきゃならないの!」
「わかりました! 学校は何処ですか!?」
「わかんないっ! だから、15歳女子高生と!」
「ヒーローの勘でいきましょう!」
言うなりジョーは、さらにスピードを上げるが、空から追うセレビアもそれに負けないようスピードアップ。
お互いの距離はつかず離れずの状態だ。
「フンッ、まぁいいわ。魔法使いを怒らせると・・・・・・」
箒にまたがりながら、セレビアはゆったりとした動作で右手を上げる。
「イタイわよ!」
天に掲げられたセレビアの右手が銃の形を作る。それをジョーの背中に狙いを定め、発射の呪文を唱える。
「バン!」
突きだしている人差し指からピン球サイズの炎の弾丸が発射。
その一連の様子を見ていた空兎が叫ぶ。
「ジョーさん、右っ!」
その声にジョーは反射的に右へサイドステップ。
直後、炎の弾丸が横を掠め、地に当たり、火柱が立ち昇った。明らかな攻撃行為だが、セレビアの狙いは空兎ではなく、ジョーであるためルール違反はしていない。
「うわっ! 恐っ!」
その光景に目を見開く空兎。ジョーはお面越しに目を合わせて、
「ナイスです。空兎ちゃん!次も来たらお願いしますね!」
そう誉めると、空兎はとびきり笑顔のウィンクで返した。
と、思うより、空兎はジョーの言う「ヒーローの勘」なるものに感激していた。
「ん~~~! ヒーロー最高っ!」
賛美の言葉に照れつつも、仙太を少し可哀想に思うジョーだった。
閑話休題。
その短い会話の間に箒で飛行しているセレビアは距離をつめていた。お姫様抱っこ状態の空兎にはそれがよく見え、自然と掻き抱いている“本”に力が篭る。
事情を把握していないジョーは、空兎に尋ねた。
「それで、これは一体どういうことなんです?」
「あの魔法使いがこの本を狙ってて、本を賭けての鬼ごっこプレイ中なのっ!」
「なるほど。それで、鬼はあの魔法使いなんですね!」
「うん! アタシが勝つにはこの本持って学校まで行かなきゃならないの!」
「わかりました! 学校は何処ですか!?」
「わかんないっ! だから、15歳女子高生と!」
「ヒーローの勘でいきましょう!」
言うなりジョーは、さらにスピードを上げるが、空から追うセレビアもそれに負けないようスピードアップ。
お互いの距離はつかず離れずの状態だ。
「フンッ、まぁいいわ。魔法使いを怒らせると・・・・・・」
箒にまたがりながら、セレビアはゆったりとした動作で右手を上げる。
「イタイわよ!」
天に掲げられたセレビアの右手が銃の形を作る。それをジョーの背中に狙いを定め、発射の呪文を唱える。
「バン!」
突きだしている人差し指からピン球サイズの炎の弾丸が発射。
その一連の様子を見ていた空兎が叫ぶ。
「ジョーさん、右っ!」
その声にジョーは反射的に右へサイドステップ。
直後、炎の弾丸が横を掠め、地に当たり、火柱が立ち昇った。明らかな攻撃行為だが、セレビアの狙いは空兎ではなく、ジョーであるためルール違反はしていない。
「うわっ! 恐っ!」
その光景に目を見開く空兎。ジョーはお面越しに目を合わせて、
「ナイスです。空兎ちゃん!次も来たらお願いしますね!」
そう誉めると、空兎はとびきり笑顔のウィンクで返した。