夕食のメニューはたっぷり野菜とポークのコンソメスープに、太刀魚のムニエルといった、和食の朝食とは打って変わって洋食メニューだ。

ムニエルには茹でたブロッコリーと半分に切ったゆで卵が添えられている。

 空兎は本当に幸せそうに、ご飯とスープを十杯ずつおかわりして、待ちに待った夕食を堪能している。紗恵美はそれを見てニコニコしているが、仙太はあまりにも凄まじいその食欲に、畏怖すら感じていた。

 夕食後、少し休んだ後に空兎は三十分かけてお風呂を満喫し、風呂上がりの牛乳で、CMに起用されそうなくらいの一気飲みを見せた。

「プハーッ! 美味いんだなこれが!」

 鼻下の牛乳でできた白髭を拭うと、居間でテレビを見ている仙太の隣に、ちょこんと座った。仄かに香るシャンプーが仙太の鼻をくすぐり、彼を妙にドギマギさせる。

 それを誤魔化すかのように、仙太が話題を切り出した。