「あーあ」
気力がさらに萎えて、クヲンはその場に寝転がる。元々、最初からジョー達を捜索する気はない。
適当に空を飛んでいたら自然とここへ辿り着いていたのだ。マリィがいなかったのはある意味では幸運だったかもしれない。
今は、どんな顔をして会えばいいか分からない。
ポケットをまさぐり携帯電話を取り出す。ディスプレイに灰山の番号からの不在着信が映っていたが、かけ直す気はなかった。
それを無視して、メモリーからある名前を検索する。
あ行に登録されていたその番号をディスプレイに映した所でクヲンの指が止まる。
「………できねぇよな」
力なく手を投げる。手の中の携帯電話のディスプレイに『天羽空兎』の名前を映したまま…………。
$
「プッハー! やっぱり朝は牛乳だね!」
牛乳髭を作って空兎が幸せそうにコップを置く。その隣でマリィが小首を傾げた。
「そうなんですか?」
「うん! この何とも言えない甘さが堪らないね! 牛ラブ♪」
「らぶ?……あぁ、好きって意味ですね」
「そうよ、マリィ! お風呂で一つお利口になったわね!」
「はい!」
二人だけしか分からない会話に盛り上がると、ふと仙太が心配になる。
(変なこと教えてないだろうな?)
そう思いながら仙太が手際よく卓袱台の上の食器類を重ねていく。
すると空兎が急に立ち上がって仙太に告げた。
「せっちん! 洗い物、手伝うよ!」
仙太は空兎の目を見て「珍しい」と言いたげな顔になる。続いてマリィも「あ、私も」と立ち上がろうとするが、空兎に止められてしまう。
「いいから、いいから! マリィ達はゆっくりしてて! こう見えても、皿洗いは免許皆伝の腕前よ!」
「どこの流派だ」
他らしげに胸を叩く空兎に、冷ややかなツッコミを浴びせる仙太だった。
「あ、せっちん! 」
気力がさらに萎えて、クヲンはその場に寝転がる。元々、最初からジョー達を捜索する気はない。
適当に空を飛んでいたら自然とここへ辿り着いていたのだ。マリィがいなかったのはある意味では幸運だったかもしれない。
今は、どんな顔をして会えばいいか分からない。
ポケットをまさぐり携帯電話を取り出す。ディスプレイに灰山の番号からの不在着信が映っていたが、かけ直す気はなかった。
それを無視して、メモリーからある名前を検索する。
あ行に登録されていたその番号をディスプレイに映した所でクヲンの指が止まる。
「………できねぇよな」
力なく手を投げる。手の中の携帯電話のディスプレイに『天羽空兎』の名前を映したまま…………。
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「プッハー! やっぱり朝は牛乳だね!」
牛乳髭を作って空兎が幸せそうにコップを置く。その隣でマリィが小首を傾げた。
「そうなんですか?」
「うん! この何とも言えない甘さが堪らないね! 牛ラブ♪」
「らぶ?……あぁ、好きって意味ですね」
「そうよ、マリィ! お風呂で一つお利口になったわね!」
「はい!」
二人だけしか分からない会話に盛り上がると、ふと仙太が心配になる。
(変なこと教えてないだろうな?)
そう思いながら仙太が手際よく卓袱台の上の食器類を重ねていく。
すると空兎が急に立ち上がって仙太に告げた。
「せっちん! 洗い物、手伝うよ!」
仙太は空兎の目を見て「珍しい」と言いたげな顔になる。続いてマリィも「あ、私も」と立ち上がろうとするが、空兎に止められてしまう。
「いいから、いいから! マリィ達はゆっくりしてて! こう見えても、皿洗いは免許皆伝の腕前よ!」
「どこの流派だ」
他らしげに胸を叩く空兎に、冷ややかなツッコミを浴びせる仙太だった。
「あ、せっちん! 」