空兎が新しい制服に着替え終わって、肩に乗せたキィと一緒に一階に降りた時にはすでに仙太が朝食の準備をすませていた。
「嗚呼、このご飯と肉じゃがの香りが醸し出すハーモニー………日本人に生まれて良かったって思う瞬間だよね〜♪」
「下手なグルメリポーターみたいなこと言ってないで早く食べよう」
仙太に冷めた反応で返され、空兎は頬を膨らませたが、直後に鳴いた自分の胃袋と肉じゃがの香りに負けて、さっさと自分の定位置に腰掛けた。
「いっただきまーす♪ あ、そうだ!」
ピッ、とテレビの電源音が鳴る。
思い出したかのように空兎がリモコンを操作して、映し出したのは朝の報道番組だ。
「あ、もしかして昨日の……?」
「うん……まぁね」
手頃な大きさに切られたジャガイモを一口で食べながら、空兎は真剣な面持ちで、次から次へと報道される事件や事故に注目していた。
結局、二人が朝食を食べ終わる頃になっても、ジョーに関する事件が報道されることはなかった。
「一応、新聞でも確認したけど、それらしきものはなかったよ」
まるで昨日の惨劇がなかったことにされているかのように……。
「なんか、気持ち悪いな……」
率直な気持ちが言葉に出た仙太だったが、空兎は、それに異を唱えた。
「違うよ、せっちん!逆!これでいいの!」
「え?」
「だって、事件になってないってことは、ジョーさんは無事ってこと!今もどこかで生きていて、絶賛活躍中なんだよ!アタシ達が無事に帰ってこれたのも、きっとジョーさんが密かに活躍してくれてるからだよ!うん!」
目を輝かせて一人納得する空兎。確かにそういう考えもできなくもないが………
「少し、強引じゃないか?」
仙太がそう言うと、空兎は眉をキッと釣り上げて、ムキになって喚く。
「いーの!強引でも!プラス思考万歳!何と言われようと、アタシは前向きな考えを突き通すわ!」
立ち上がって、仙太に向けてビシッと人差し指を突きつける空兎。口内に残っていたご飯粒が、仙太の顔に飛んだ。
「嗚呼、このご飯と肉じゃがの香りが醸し出すハーモニー………日本人に生まれて良かったって思う瞬間だよね〜♪」
「下手なグルメリポーターみたいなこと言ってないで早く食べよう」
仙太に冷めた反応で返され、空兎は頬を膨らませたが、直後に鳴いた自分の胃袋と肉じゃがの香りに負けて、さっさと自分の定位置に腰掛けた。
「いっただきまーす♪ あ、そうだ!」
ピッ、とテレビの電源音が鳴る。
思い出したかのように空兎がリモコンを操作して、映し出したのは朝の報道番組だ。
「あ、もしかして昨日の……?」
「うん……まぁね」
手頃な大きさに切られたジャガイモを一口で食べながら、空兎は真剣な面持ちで、次から次へと報道される事件や事故に注目していた。
結局、二人が朝食を食べ終わる頃になっても、ジョーに関する事件が報道されることはなかった。
「一応、新聞でも確認したけど、それらしきものはなかったよ」
まるで昨日の惨劇がなかったことにされているかのように……。
「なんか、気持ち悪いな……」
率直な気持ちが言葉に出た仙太だったが、空兎は、それに異を唱えた。
「違うよ、せっちん!逆!これでいいの!」
「え?」
「だって、事件になってないってことは、ジョーさんは無事ってこと!今もどこかで生きていて、絶賛活躍中なんだよ!アタシ達が無事に帰ってこれたのも、きっとジョーさんが密かに活躍してくれてるからだよ!うん!」
目を輝かせて一人納得する空兎。確かにそういう考えもできなくもないが………
「少し、強引じゃないか?」
仙太がそう言うと、空兎は眉をキッと釣り上げて、ムキになって喚く。
「いーの!強引でも!プラス思考万歳!何と言われようと、アタシは前向きな考えを突き通すわ!」
立ち上がって、仙太に向けてビシッと人差し指を突きつける空兎。口内に残っていたご飯粒が、仙太の顔に飛んだ。