数分後、仙太はピザのチラシを発見した。二人の持ち合わせを総合して、ピザMサイズ二枚にギリギリ達したので、携帯電話でそれを注文した。
夕食時のせいか、一時間程かかるらしいが特に焦る理由がないので了承して、仙太は注文を完了させた。
「一時間か………」
焦る理由はないが、長く、そして重く感じる時間だった。
仙太が何か話さないと、空兎は黙ったままテレビを見つめているだけだ。
(なんか新鮮だな……いや、懐かしいのかな、これ?)
雰囲気こそ違うが、中学時代の空兎に似ている。絶えずビクビクして、人の顔色ばかり伺っていた頃の空兎。そんな彼女にどんな話題を振ろうか頭を捻らせていた自分。
(そんなことも……あったな)
少しばかり昔を思い出した仙太が少し笑みを漏らす。
そして思い付いたのは、沙恵美との会話であった空兎の好きなテレビ番組の話題だった。
「そういえばさ、今日、観たい番組とかあったの?」
仙太に尋ねられた空兎は、僅かに目だけを仙太に向け、「あぁ…」と思い出したが、特に見逃したショックを受けた様子も見せずに視線をテレビに戻して、話し始める
「毎週欠かさず観てたアニメ……アタシ、すっごい好きだったんだけど、今日最終回だったんだ……打ち切りでね。ストーリー中途半端って感じなのにバッサリ……大人の都合って奴かな?」
そのアニメのファンという空兎にとっては、打ち切りもその最終回を見逃したこともショックな出来事であるにも関わらず、起伏のない口調で淡々と語られていく。
「わかってるんだよ……人気なかったらそうなるっていうことはさ……頭ではわかってるんだけど、なんとなくね……ちょっと………理不尽かな、って……思ってさ」
「空兎?」
堰を切ったように多弁になり始めた空兎に、仙太は戸惑い始めた。それでも空兎は、まだ止まらない。
夕食時のせいか、一時間程かかるらしいが特に焦る理由がないので了承して、仙太は注文を完了させた。
「一時間か………」
焦る理由はないが、長く、そして重く感じる時間だった。
仙太が何か話さないと、空兎は黙ったままテレビを見つめているだけだ。
(なんか新鮮だな……いや、懐かしいのかな、これ?)
雰囲気こそ違うが、中学時代の空兎に似ている。絶えずビクビクして、人の顔色ばかり伺っていた頃の空兎。そんな彼女にどんな話題を振ろうか頭を捻らせていた自分。
(そんなことも……あったな)
少しばかり昔を思い出した仙太が少し笑みを漏らす。
そして思い付いたのは、沙恵美との会話であった空兎の好きなテレビ番組の話題だった。
「そういえばさ、今日、観たい番組とかあったの?」
仙太に尋ねられた空兎は、僅かに目だけを仙太に向け、「あぁ…」と思い出したが、特に見逃したショックを受けた様子も見せずに視線をテレビに戻して、話し始める
「毎週欠かさず観てたアニメ……アタシ、すっごい好きだったんだけど、今日最終回だったんだ……打ち切りでね。ストーリー中途半端って感じなのにバッサリ……大人の都合って奴かな?」
そのアニメのファンという空兎にとっては、打ち切りもその最終回を見逃したこともショックな出来事であるにも関わらず、起伏のない口調で淡々と語られていく。
「わかってるんだよ……人気なかったらそうなるっていうことはさ……頭ではわかってるんだけど、なんとなくね……ちょっと………理不尽かな、って……思ってさ」
「空兎?」
堰を切ったように多弁になり始めた空兎に、仙太は戸惑い始めた。それでも空兎は、まだ止まらない。