仙太は、そのことに若干、違和感を覚えつつも、終始テンションの上がりぱっなしの空兎に気圧されてそれ所ではなかった。

 そうこうしている間に魔法の絨毯は、最初の目的地に着いた。

 そこはジョー曰く、水がテーマらしく人もたくさん集まっていた。

「へぇー、いいとこじゃん!」

「あぁ、悪くねぇ!」

 空兎とクヲンの意見が上空で揃う。
地上から見える家族連れや恋人同士などは空を飛ぶ魔法の絨毯の存在は、ほんの豆粒程度にしか見えないのか、気にする人はいなく、皆テーマパークを楽しんでいた。

「以前、僕がアルバイトしていたテーマパークです。定年通りならば、ゴールデン・ウィークには、花火が行われるはずですよ」

「なるほどね。とりあえず、ここにしましょう」

 セレビアも同意した所で、絨毯をなるべく周囲の人々に気づかれないような場所で着陸させて、律儀にも入場口から入った。

 そして、場内を知っているジョーが真っ先に走って、予定を確認する。

「今、プログラムを見てきましたが、予想通りありましたよ、花火が」

 嬉しい知らせに、空兎がジョーとハイタッチ。
 二日目の冒険の順調ぶりにテンションは上がる一方だ。

「でも、花火って夜だよな? それまで時間どうするよ?」

 クヲンの素朴な疑問に、空兎は迷わず即答。

「遊ぶ!」

「だよな!」

 やはり思考が似ているともあって、意思疎通というべきか、せっかく高い入場料を払って入ったテーマパークだ。それに、まだ日も高い。

 花火が始まるその時まで、遊ぶことに誰も反対はしなかった。

「んじゃ、まずはバンジージャンプねっ!」

「いきなりかバンジーかよ・・・」

 そして始まった空兎のテンション全開のテーマパークツアー。
クヲンも、空兎に続いて高く、ジョーは相変わらず笑顔で保護者のお兄さんをしているが、それなりアトラクションを楽しんでいる。

 セレビアはというと、意外にも日本の買い物に興味を持ったのか、途中から空兎逹とは別行動をとってショッピングセンターに出掛けていた。

 そして、仙太はというと。

「いよーし! せっちん、次、お化け屋敷ね!」

「いや! ちょっと休暇を………」

 空兎に振り回されていました。