完璧な彼氏×おバカな彼女

背中をトントンと落ち着かせるように叩いた。

女は俺から離れ震える声で言った。

「・・・も・・う大丈夫です・・・」

そう言い、女は顔を上げた。その顔は、天宮さんだった。俺は、怒りがこみ上げ周りを見渡すと、男達はいなかった。

「天宮・・・・さ・・ん??」

「ほ・っ・ん・と・・にた・・っすけてくれて・あり・・っ・・がとうございました」

泣きながら言った。だいぶ落ち着いてきたみたいだった

「本当に大丈夫か??」

「大丈夫です」

そう言い、天宮さんは涙を拭い無理して笑った。

「送るから、俺と帰ろう??」

「迷惑かけたうえ送ってもらうなんて・・・。」

「大丈夫だから。バイクなんだけど大丈夫??」

「大丈夫です。」

「じゃあ帰ろっか??」

「うん」

俺は、エンジンをかけヘルメットを被りバイクにまたがった。天宮さんもまたがった。けど、天宮さんのヘルメットがないことを思い出し、俺は天宮さんにヘルメットを被せてやった。

「じゃあ俺の腰に掴まっててくれな。」

「うん」

そう言い、天宮さんは軽く俺の腰に手をまわした。けど、俺は強く掴まらせた。

「じゃあ行くよ」

「うん」

いつもはもっとスピードを出すけど、今日は後ろに天宮さんが乗っているので遅く走った。

ちょっと走ったところで天宮さんを襲った3人の男を見つけたので、エンジンを止めバイクから降り、俺は3人の男に向かって走った。















俺の突然の行動に天宮さんは驚いたのか

「どうしたの??」

天宮さんは首を傾げ、キョトンとしていた。耳をすますとさっきの男達が話していた。

『あ~あさっきの奴まぢヤバくね??』

『俺、骨折れたかと思ったよ』

俺は、2人の腕を掴み横にあった空き地まで引っ張った。なぜなら素顔を知られてしまえばスキャンダルになるかもしんねぇからな。

「折ってやろうか??希望を言ってみろよ」

「・・・やめてくださ~い」

一人の男は俺に泣きついてきた。けど、

バキーィィィィィィィ。

腹を蹴ってやった。気絶してしまった。もう1人の男に目を向けると、

「頼む。やめてくれ~。この通り!!」

そう言い土下座をした。天宮さんが涙目でこっちに来て、立ちはだかった。

「もぉやめて~!!死んじゃうよぉ~」

そう言い、俺の腰に腕を巻きつけてきた。

「・・天宮さん。怖がらせてごめんな」

そう言い天宮さんを抱きしめた。バイクに乗り、家の道のりを聞き天宮さんの家まで送った。天宮さんの家の手前でエンジンを切った。

「送ってくれてありがとう」

「どういたしまして。これからは気をつけるんだよ。じゃあね。天宮さん」

そう言い、バイクにまたがると、

「待って!!」

大声で叫び止められた。

「何??」

「どうして私の苗字知ってるの??」

しまった!!ここは答えるべきか・・・。

「内緒」

俺は人差し指を口にあてた。

「ずるいよぉ。もう会えないかもしれないんだよ」

天宮さんは急に泣きだした。


「じゃあ、いつでもここに連絡して」

俺はレシートにアドレスと携帯番号を書き、泣いている天宮さんに渡した。

「いつでも連絡していいの??メールしてもいいの??」

「いいよ」

天宮さんは泣き止んだ。

「じゃあね」

俺は、これ以上ここにいると理性が保てるか分からなかったので帰ることにした。



~鈴サイド~

男達が私にまたがり制服の上から胸などを触られた。
涙目になり震えていると・・・。

私にまたがっていた男の人が誰かに殴られ地面に倒れた。見張っていた2人もほとんど同時に倒れた。顔を上げると、そこには背の高い男の人がいた。顔は見えなかった。

怖くて震えたままだった。そんな時、男の人が包み込んでくれるように抱きしめてくれた。

「もう大丈夫だ。」

さっき込み上げてきた涙がついに溢れてしまった。

「ふっ・・・ぇ~ん。怖かったよぉ~。」

背中をトントンと叩いてくれた。

少ししてから男の人から離れた。

「・・・も・・う大丈夫です・・・」

なるべく心配かけないように言ったつもりだった。顔を上げると・・・。男の人は驚いたような顔をして言った。

『天宮・・・・さ・・ん??』

私は、自分の苗字を呼ばれてた事なんて気づかなかった。

「ほ・っ・ん・と・・にた・・っすけてくれて・あり・・っ・・がとうございました」

私は、助けてくれた人にお礼を言った。

「本当に大丈夫か??」

「大丈夫です」

私はなるべく心配掛けないように笑った。すると、

「送るから俺と帰ろう??」

「迷惑かけたうえ送ってもらうなんて・・・。」

「大丈夫だから。バイクなんだけど大丈夫??」

「大丈夫です。」

「じゃあ帰ろっか??」

「うん」

バイクは大きかった。ヘルメットが1つしかなくて、どうするんだろう??って思っていたら男の人は一度被っていたヘルメットを外し、私に被せてくれた。

「じゃあ俺の腰に掴まっててくれな。」

「うん」

男の人の腰に軽く手を回していたらギュっと密着するような感じになるほど腕を引っ張られた。






















「じゃあ行くよ」

「うん」

ゆっくりと走ってくれていたのが分かった。ちょっと走ったところで男の人はエンジンを止め、バイクから降りていった。私は、不思議に思い男の人の後を追った。けれど、男の人は早く行ってしまって見失ってしまった。しばらく探していると空き地のほうから低い声が聞こえ行ってみると・・・・。
そこには、さっき襲ってきた人達を助けてくれた人が私を襲ってきた人に殴ったり蹴ったりしていた。さすがに可哀想だったので、襲ってきた人達の前に立ちはだかった。すると、殴るのをやめてくれた。

「天宮さん怖がらせてごめんな」

ギュっと抱きしめてくれた。普通なら知らない男の人に抱きしめられても安心なんてしないんだろうけど・・・。
なぜか安心出来た。

「送ってくれてありがとう」

バイクで家まで送ってくれた。

「どういたしまして。これからは気をつけるんだよ。じゃあね。天宮さん」

そう言いバイクにまたがった。

この人私のこと知ってるの??

ずっと気づかなかったけど・・・。さっき私の苗字呼んだよね??

「待って!!」

大声で呼び止めた。これで終わりにしたくなかったから・・・。そして気になったから・・。

「何??」

振り向いてくれた。

「どうして私の苗字を知っているの??」

私が聞くと、困ったような顔して答えてくれず・・・・。少しの間経つと・・・・。

「内緒」

人差し指を口元にあてて言い、ヘルメットを被ろうとしていた。私は涙が堪えられず泣いてしまった。

「ずるいよぉ。もう会えないかもしれないんだよ」

すると、少ししてからレシートを渡された。

「じゃあ、いつでもここに連絡して」

中を見るとそこにはアドレスと電話番号が書かれていた。

「いつでも連絡していいの??メールしてもいいの??」

「いいよ。じゃあね」

嬉しくて涙が止まってしまいそうだった。バイクで帰ってしまった。

この時私は、まだ知らなかった。
あの人が二つの顔を持っているなんて・・・・・。













~龍サイド~

海は朝練があると言っていたが昨日撮影サボったせいで今日は遅れて登校するそうだ。
俺はギリギリで登校した。まぁ寝坊しちまったんだよな。

「龍早く乗れ!遅刻すんぞ」

朝から涼介さんが迎えに来てくれた。

「すいません。2回も・・」

「いんだよ。それが俺の仕事なんだしよ。それよりちゃんとかつら被って眼鏡かけろよ」

「忘れてた」

「はぁ~・・・。先が思いやられるぜ。じゃあ今日は8時から撮影だから7時半に家に迎えに行く」

「じゃあ海も家に呼んでおきましょうか?」

「助かる!!そうしてくれ」

「分かりました」

俺は、下駄箱に行くと天宮さんと会った。

「おはよう一ノ瀬君」

「おはよう天宮さん」

昨日のことに気づいてねぇみたぃだな。
昨日みたいな事になんねぇようにくれぐれも気をつけねぇといけねぇな。はぁ~・・。

「おはよう一ノ瀬。どうだ学校は慣れてきたか??」

担任が声を掛けてきた。

「はい。」

つってもまだ学校に来て1週間も経ってねぇし・・・。
早く昼休みになんねぇかなぁ。寝みぃし・・・。優等生になんなきゃ授業バックれて寝れたのによ・・・・。

って考えてる時、海が俺の机にやってきた。

「龍~俺サッカー部のレギュラーになったから今度試合するとき見にきてよん」

あれ以来サッカーで大活躍している海。俺も何かしてぇけど時間が回んねんだよな。

「暇があればな・・・・・。」

「「









~鈴サイド~

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