雨の季節が終わってからも、僕は結局、神社の脇の小屋で過ごす事が多かった。


外は急に暑くなって、太陽の下にいると、ビョウキになりそうだった。


神社ではセミたちが、狂ったように鳴いている。


「暑い……」


僕とショコラは、日が傾くまで、日陰に身を潜めた。



それでも、シロのバイトは続いていた。


ガソリンの臭いがシロの身体に染みついているおかげで、僕はかなり遠くからでもシロに気付いた。


色白だったシロは、今では全然シロくなかった。


毎朝お菓子を僕のところに置いて、自転車で出かけて行くのがすっかりシロの日課になっていた。