こんなときに不謹慎なんだけど、僕はみんなに愛されているショコラが少しうらやましかった。
僕はみんなを愛しているけれど、愛されているかといえば、全く自信がなかった。
本当に片思いは寂しい。
ご主人は僕を愛してくれていたんだろうか?
トボトボ歩きながらそんな事を考えているうちに、僕は誰もいない寝床の小屋に着いた。
小屋に入ろうとした時――…
その入口に見慣れないお鍋が置いてある事に気付いた。
中をみれば、いつものお菓子が入っている。
「あ! シロが来てくれたんだ……」
僕はお鍋の近くに座って、それを見つめた。
僕は何だか、泣けてきた。
泣きながら、それをありがたく食べた。
「ありがとう、シロ」
僕も今、少しは愛されているのかもしれない。