僕は思い切って、母さんにこの複雑な胸の内を話してみることにした。

 自分と似てる、って言う母さんは、僕の気持ちを少しは理解してくれるだろうか?


「あのね、母さん。僕はこの家に不似合いな存在なんじゃないかと思う事があるんだ。
 時々ね、窮屈だなって感じる事があって。

 ご主人の事が嫌いなわけじゃないんだよ。
 ただ……時々、窮屈なんだ」



 冴えない顔で話す僕に、母さんは言った。

「この家を出ようとは思わないの?」

「えぇっ!?」

僕は驚いた。

「随分と簡単に言うんだね!」