シロは濡れた僕の頭を手でふきながら、話し続けた。 「ゴメンな、クロ。俺ってホントに薄情な男だよな。つくづく自分がイヤになったよ。 4月からずっとおまえと過ごしてきたのに。 おまえと過ごす時間がすごく好きだったのに。なのに、雨ごときで簡単におまえを裏切るなんてさ」 「シロ……」 雨はこの数日間、シロのところでも 『考えなさい、悩みなさい』と降ったんだろうか?