「ショコラ! 今日はまだここに……」
と、僕が話し出したのをさえぎって、ショコラは、
「おまえ、どこ行ってたんだよ!」
と大きな声を出した。
「わぁっ! 何を怒ってるんだよ? 僕、昨日あの後で新しい寝ぐらを見つけてね、そこに移ったんだよ」
「新しい寝ぐらだって?」
ショコラの心配顔は安堵の顔に変わり、
「東の神社のある杜の脇に、小さな小屋を見つけたんだ」
という僕の話を聞いて、すぐに呆れ顔に変わった。
「ショコラ、僕のこと心配してくれたんだね? 心配かけてごめんね。ありがとう」
僕は嬉しくて、お礼を言った。
「そんなんじゃないぞ」
ショコラは相変わらず照れ屋さんだった。