太陽はもう少しで沈む。
ショコラと別れてひとりになった僕は、何となく切なくなった気持ちを引きずりながらも、もう少し歩く事にした。
次の雨が降るまでに、どうしても屋根のある場所を見つけておきたかったから。
僕はショコラの家を行き過ぎ、東へ向かった。
そして稲田に挟まれた細い道を歩いた。
ヒトによって植えられたばかりの苗は、まだ弱々しくて、
そよ風に簡単になびく様子は僕みたいだった。
だけどその危なっかしい見た目に反して、その細い根は土に伸び、土にしがみつき、意思の強さを感じた。
そこは僕とは、全然違うとこだった。