「おや、ニャンコちゃん、今日はお友達と一緒なんだねぇ?待ってな」

「ニャ〜ン」

 ショコラはとても可愛く挨拶をした。

 僕はその豹変ぶりに、びっくりした。


 そんなショコラだったけれど、建物の中には決して入らなかった。



 外で待っていると、女のヒトが壊れた鍋に食べ物をいれて、ふたつ持って来てくれた。

「ワンチャンはどこの子だい? ここはすごいニオイでびっくりしただろ? いつでもおいで。おばさんのいい気分転換だ」

 僕はしっぽを振って感謝を表した。


 昨日の夕飯を食べなかっただけなのに、お腹はもうペコペコだった。

 一度捨てられたはずのご飯は、本当においしかった。


 よかった……。


 僕は、空腹で死にそうになっても、カエルとかミミズはとても食べられないだろう。