「そうそう、あそこに煙突のある建物が見えるだろう?」

 ショコラは川の向こう側に見える建物を鼻で指し示した。


「あそこはニンゲンが出したゴミが集まるところなんだ。あそこにいるニンゲンは僕らを見ると、食べるものをくれるんだ」

 僕は思わず笑顔になった。

「え!本当かい? あぁ、よかった!」

 僕は助かった!と思った。




 ショコラは少し考えてから、

「今から一緒に行くか?俺は時々しか行かないけど、おまえはそういう訳にもいかなさそうだからな」

と、僕をそこに誘ってくれた。


 僕はまたまた助かった!と思った。

「ありがとう!本当に助かるよ」



 僕たちは歩き始めた。

 歩きながらショコラは言った。


「その建物にはニンゲンが食べ切れなかったものが溢れているんだ」