そして、僕は誰よりも時間をかけて、ショコラにお礼を言わなくてはいけなかった。

「ショコラ、本当にありがとう。僕、ショコラには言い尽くせない程の感謝をしているんだ」

「よせよ、永遠の別れでもあるまいし! 調子が狂うだろっ!」

ショコラは口を尖らせて言った。

「そうだね、そうだった。僕、また桜が咲いたらここに来るよ。だからまた、誕生日を祝っておくれね?」

「おまえがまた抜け出して来られたらな!」

ショコラはニッと笑った。


後ろからミルクが

「ショコラ!」

と笑いながら、ショコラをたしなめた。


僕たちは笑った。