ショコラのご主人には、もうひとつ“お役目”があった。
「ツヨシくん、せっかくだからお母さんに顔を見せていってやりなさい。お父さんに会うのはまた今度でいいからさ。
オバアチャンの家まではら後でおじさんが車で送って行ってあげるよ」
ショコラのご主人はシロにの肩を抱いて、何とも頼もしい様子で言った。
「……はい、そうします。心配かけてすみませんでした。おじさん、本当にありがとうございました」
シロは深々と頭を下げた。
ショコラのご主人は微笑んで、自分より背の高いシロの頭を撫でた。
そしてシロは、僕にお別れを言いに来た。
「ありがとうな、クロ。アッチャンやタツヤやノブリンや……ユウコ連れて絶対遊びに行くからな!」
「ありがとう、シロ」
本当にありがとう。