僕は土手を下り、その公園をのぞいてみることにした。


 そこは剥き出しの土の周りを木々が囲み、古びた木製のベンチが置かれただけの、とても小さな公園だった。

 行くあてのない僕は、しばらくここに留まる事にした。


 それにしても……

「お腹すいたなぁ」

 大体ヒトがいないところで、食べ物はどうしたらいいのだろう?

 とりあえず僕は小川の水を飲み、ベンチの下を寝床に決めた。



「土の匂いって僕の匂いと同じくらい心地いいんだ」


 大好きな土の匂いに包まれ、そして空腹よりも疲れが勝って、僕は意外なくらいすぐに眠れた。