「おまけに僕は僕の電話番号なんて結びつけたりして、現実に抵抗したりして……」


 ご主人は笑顔で頷きながら、シロの肩を抱いた。

「そんなに宗一郎を愛して下さっていたんですね。あなたには本当に感謝しているんです」

そう言うとご主人は僕を見た。


「宗一郎、おまえはどうしたいんだろう?」


そこで僕を見つめているのは、確かに1年分年をとったご主人だった。


僕にも、どうしたらいいのか分からなかった。

いつもぶっきらぼうなシロが声を必死に押さえながら、くしゃくしゃな顔で泣いていた。



シロ……