間もなくして、表の方から
「キキーッ」
と 聞き覚えのあるシロの自転車を止める音がした。
「ごめんください。こんにちは!」
シロの声だった。
「おっ、来た来た!」
シロを迎えに行ったショコラのご主人は、
「おぉ、何だ。ツヨシ君じゃないか! “片瀬”って、ツヨシ君だったのか!」
ショコラのご主人は、とても驚いていた。
「ご無沙汰してます。いつかは本当に有難うございました」
前の警察が来た“事件”のとき、シロは、ショコラのご主人に仲裁に入ってもらっていた。
それ以来だったので、シロは少々気まずさを感じているようだった。