そのうちに、とうとう夕暮れが訪れた。
僕に寄り添い泣いていた子イヌは、いつの間にか眠ってしまった。
「シロもオバアチャンも、心配しているだろうな」
僕は僕の帰りを待っているだろう、オバアチャンとシロを思った。
「オバアチャンの家を抜け出して勝手な事ばかりしていたから、バチが当たったのかもしれないな」
みんな、本当にごめんなさい。
でも、僕は家を抜け出したからといって、そんなに悪い事をしていた訳じゃないんだよ?
それだけは信じてね?
とりあえず、この子イヌだけは何とか逃がしてあげないと……。
僕が僕に出来る事がないか考えていると――
やがてショコラの家の前に、1台の車が止まった。
これは父さんも辿った道なんだろうか?
僕は何処に行くんだろう?