ショコラのご主人は、とても穏やかな雰囲気のヒトだった。
なんと僕らに、お菓子までくれた。
それで僕たちは、油断してしまった……。
ショコラのご主人は僕の首輪にヒモをくくり、庭の木の幹に縛りつけた!
僕は繋がれてしまったのだ。
僕はわめき、暴れた。
「イヤダ!イヤダ! 怖いよ!怖いよ! 放してよ!放してよー!」
子イヌは取り乱す僕のところに寄って来て、ただオロオロとするばかりだった。
ショコラも
「どうしよう!?」
と慌て、紐に噛み付いて解こうとしてくれた。
でもダメだった。
ショコラのご主人は、
「そんなに騒ぐなよ〜。飛び出して車にひかれでもしたらどうするんだよ」
と困った顔をした。