僕はそれから毎日、オバアチャンの家を抜け出した。
そしてオバサンのところへ行ってはご飯を貰い、神社の小屋にいる子イヌに運んだ。
子イヌはだんだん元気になっていった。
僕は子イヌを連れて、公園のショコラのところに相談に行った。
さすがにショコラも、
「うーん」
と悩んでいた。
どう考えても僕たちで育てる事は不可能だし、飼い主を探す事も不可能なのだから。
子イヌも不安そうだった。
そのとき――
公園に一人のヒトが入って来た。
「あっ……ヤバイ! ご主人だっ!」
そのヒトを見るなり、ショコラが叫んだ。
僕が初めて見るショコラのご主人は、とても優しそうなオトコのヒトだった。