小屋に戻った僕は 食べた物を吐き出して、その子イヌに食べるよう促した。
「僕の口から出したものでゴメンね」
僕が謝るのを最後まで聞かず、子イヌはそれに飛びついて、しっぽを振りながら夢中で食べた。
食べながら、泣き出した。
「僕たちはママがこうやって軟らかくしてくれた食べ物を食べていたんだ。ママ……」
子イヌは僕のお腹に鼻を押し付けて、泣きつづけた。
子イヌはひとしきり泣くと、僕にもたれてそのまま眠ってしまった。
僕はこの子イヌをどうしようかと考えた。
僕はオバアチャンの家に連れて帰る事が出来なかった。
そんな事をすれば、僕はまた、みんなに迷惑を掛けてまうだろう。
しばらくして目を覚ました子イヌに、
「いいかい?この小屋で大人しくしているんだよ。明日も僕がご飯を運んで来てあげるからね?」
と言い聞かせ、ひとまず僕は、オバアチャンの家に帰る事にした。