「君、ちゃんと食べているのかい?」
「……ううん、お腹すいたなぁ。僕はまだ あんまり硬いものを食べられないし、このまま死んじゃうのかもしれないな」
それを聞いた僕は、
「何を言ってるんだよ!」
と怒った。
「いいかい? ここで待ってるんだよ。僕が何とかするから」
僕は子イヌにそう言い付けると、急いで以前ご飯をくれたオバサンのところへと向かった。
オバサンは久しぶりに来た僕を見つけ、喜んでご飯をくれた。
僕は久しぶりなのにすぐ帰るなんて、本当に申し訳なく思った。
だけど、子イヌを少しでも早く元気にしたかった。
僕は口一杯にご飯を詰め込み、
「オバサン、ありがとう!」
しっぽをブンブンと振ってお礼を言うと、再び神社の小屋に向かって走った。