僕は青ざめた。
“ごみ箱”?
まさか、本当に……?
首を伸ばして見ると、ここからそれほど遠くはないところに、子イヌの言う塔が見えた。
「君はこんな小っこいのに、ひとりで逃げて来たのかい?」
子イヌは小さくうなずいた。
僕は切なくなった。
「よく頑張ったな」
僕は子イヌを褒めるように、なめ続けた。
子イヌは僕の存在に少し安心したようだったけど、心の内では、母さんと兄弟の行方を心配しているに違いなくて、それを思うと本当に哀しかった。
この子のママや兄弟が、一体何をしたと言うんだろう?
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…