シロはそのまま家に入ろうとせず、ガレージにある僕の小屋の隣に座った。


僕は半分眠りかけていたけど、小屋から出てシロの隣に座った。


あの土手の時代が思い出される光景だった。




シロはうつむいて黙っていた。


そのうち、ポケットから携帯電話を取り出して、壊れるくらいに見つめていたのだけれど、心を決めたのか、どこかに電話をかけた。



<――…もしもし?>


電話が繋がった。

「もしもし?ツヨシだけど…家、着いた? ……うん、そっか…よかった。
 あのさ、今日ありがとな。楽しかった。 ……うん…本当。

 でさ、俺もユウコに見せたいものがあって。
 今度の月曜日、一緒に見に行かないか?
クリスマスだけど……俺バイト休むし……」