しばらくしてシロは帰って来た。


僕の頭を撫でながら、

「俺の方が年上なのに、全然敵わないや」

と呟いた。


土手でのシロとユウコサンの会話は、カカシとかブリキとか脳みそとか、僕にはさっぱり分からなかった。


でも、シロがユウコサンにますます惹かれていて、


それと同時に自信を失いかけているのを感じた。



「大丈夫だよ。僕の父さんなんて野良イヌだったのに、あの美しい母さんを射止めたんだ。
 確かにユウコサンの方がしっかりしているように見えるけど、そんなものはアテにならないさ」


僕はシロを励ました。