この冬初めての思いがけない大雪を、今日の太陽はやっつけるように照らしつけていた。
すると、雪はみるみる溶け出して、お昼近くには庭も道路も、所々で地面が見えてきた。
屋根からドサッと雪の塊が落ちるたび、僕はとてもびっくりした。
でも、だんだん僕は楽しくなってきて、まだ残る雪に飛び込んだりして遊んだ。
オバアチャンも縁側でお茶を飲みながら、雪が溶けていく様子を見ていた。
だから、この日の雪に翻弄されたのは、シロだけだった。
そして、あんなにシロを悩ませた道路の雪も、夕方には日影を除いて溶けてしまった。
「あぁあ〜」
僕は何だか勿体ないような気持ちになった。
あの日、公園で見た桜が散る早さに、どこか似ていた。