ショコラはフーッと溜め息をついた。

僕は言った。

「ショコラ、あの囲いを見ただろ?あれは子ネコたちを守る囲いだよ。大丈夫! 君のご主人を信じようよ」


 ショコラはやっと笑みを浮かべた。

「そうだな、信じるしかないな。何があっても、殺すような事をするヒトじゃないよな。うん、ご主人はそんなヒトじゃない」

そして、

「寂しいけど、アイツらが生きてさえいてくれたら俺はそれでいいんだ。たとえ見知らぬ土地に捨てられたとしてもな」

まるで、自分に言い聞かせるかのようにつぶやいた。


「ショコラ……」