アッチャンが作ってくれた小屋の中で、僕はショコラの赤ちゃんたちの事を思い出していた。
「大きくなったかなぁ?また会いたいなぁ」
だけど、ショコラのご主人に見付かったとき、僕は自分が誰なのかを説明できないから、自由にショコラの家を訪ねるわけにはいかなかった。
ショコラのご主人は悪いヒトではないと思う。
だけど、もしかしたら僕も“ごみ箱”に棄てられてしまうかもしれないから、用心するに越した事はないのだった。
そんな怖い“ごみ箱”が存在するなんて……。
ここまでの僕の野良イヌ生活から考えても、やっぱりに信じられないのだけれど。