それからは、日を追うごとにどんどんと寒くなっていった。
日の光をしっかり浴びられる時間以外は、小屋から出るのもためらわれるほどだ。
僕は、今まで春も夏も秋も冬も、ご主人たちと一緒に家の中で過ごしていた。
だから夏の暑さも冬の寒さも、覚えてはいなかった。
こんなに気温の変化を感じて過ごすのは、初めてだった。
「冬ってこんなに寒かったんだなぁ……」
僕は小屋の中でまーるくなって“温かい空気”を逃がさないようにした。
シロも今日はパンパンに膨らんだ服を着て、まーるくなって自転車で出掛けて行った。
「いってらっしゃい!」
僕はシロの背中を見送りながら、そっと呟いた。