まもなくして、門の外から車を停める音が聞こえた。

 マリちゃんたちが来たんだ!

 マリちゃんは車から降りると、僕のいる庭に、すごい勢いで駆け込んで来た。


 そして、

「宗ちゃん!」

と言いながら、僕に駆け寄ってきた。


 マリちゃん、僕の事を覚えていてくれたんだね!




 途端、家の空気が一気に変わった。

 楽譜で言えば、1オクターブ上がった感じだ。


 僕は、興奮した!

 マリちゃんは、

「宗ちゃんだ、宗ちゃんだーっ!」

と言いながら、僕の耳やしっぽを引っ張ってきた。


 僕も男の子だ!耳やしっぽが少しくらい痛くても、そこはグッと我慢。

 マリちゃんにケガさせないように、頑張って耐えてみせるさ!