「え? あ、こちらこそ、初めまして……」
僕はミルクに挨拶を返すと、もう一度振り返ってショコラを見た。
「ショコラ……奥さんがいたのかい?」
「あれ? 俺、言ってなかったっけ? 俺がここのご主人に預けられる前から、彼女はここにいたんだよ」
初耳ですけどっ!
僕は少し不満に思ったけれど、驚きながらショコラの赤ちゃんたちを鼻でつついた。
なんて可愛いんだろう!
僕はこんなに可愛らしい生き物を初めて見た。
生まれたばかりの、小さな命。
その温かさに触れ、僕は今までに味わった事のない気持ちを覚えた。
……とはいえ、ショコラのご主人に見つかるといけないので、僕たちは早々にショコラの家を出る事にした。