センセイが帰った後、僕はウトウトしながら、シロとオバアチャンの会話を遠くに聞いていた。
「バアチャン、メシありがとう。この間から心配かけてばっかだし……本当にゴメンな」
小さな声だったけど、シロがオバアチャンに謝っているのが聞こえた。
「気にしんで、もう寝んさい」
と言うおばあちゃんに、
「俺にバアチャンがいて本当によかった。俺、もうどこにも行くとこなくなったかと思った」
とつぶやくシロ。
オバアチャンはフフッと笑うと
「子供がそんな心配せんでええんだよ」
と優しくシロに言った。
オバアチャンよりあんなに体が大きくても、オバアチャンから見たらシロはコドモなんだなぁ、と僕は不思議な感じがした。