その“事件”から数日経った或る夜だった。

小屋の外から聞き慣れた自転車の止まる音が聞こえた。


「……シロ!?」

僕は警戒しながら、そっとのぞいた。

シロだった。

僕は訳もわからないまま飛び出して、

「心配したんだぞ!」

と言いながら、しっぽをパタパタさせて再会を喜んだ。



シロは僕を見て、僕を抱きしめて、泣いた。

きっと張りつめていた緊張から、やっと解放されたんだろう。

シロは、

「クロ、俺と一緒にバアチャンのとこに行こう?」

と僕に言った。




 シロは警察で事情を聞かれた後、厳重注意を受け、家に帰されたらしかった。


だけど、シロは、シロの家に帰る事を拒んだ。


そして、隣町にあるシロのオバアチャンの家に身を寄せる事にしたのだった。