『今から家に向かうから………』


お母さんの声なんて聞こえない。


もうなにも。





聞きたくない…。




「うぁああああああああああああぁああぁっ!!!!!」

どうして…

「どうしてよぉおおおお!!!」

「姉ちゃん、どうしたの、こんな夜中に…」

わたしの声で目が覚めたのか、弟の陸が下りてくる。

「陸っ、わたしっ!!…優くんがっ!!」


言葉にできない悲しさ。


「優斗さんがどうしたの??」

陸はわたしを抱き寄せると優しい口調で言う。