だけど仕方ありません。



君はもう私を見ていません。



けれど私は君を見ていたい。




毎日メールをしていただけの、
そんな弱い弱い関係に



縋るほど私は君が












好きなのです。





あぁ、やっぱり過去になんてしたくありません。







過去にしたくないと、
騒ぐ私と、



君に話しかける事さえ出来ない私が背中合わせで立っていました。




思いつくまま君に抱き付いて
好きと
言えたなら、
きっと今私は泣いていません。


でも、でもできませんでした。


君からの拒絶がこわかったし、

単純に目も合わせられなくなっていたからです。



どうやら本当にお別れです




君をみるだけで
私は息が苦しくて
泣きたくなります。



だから、だから....


私も



前へ進みます。




あの日の君とお別れをして、
今の自分とむきあうのです。





君が好きだから、大好きだから、最大の譲歩です。




さようなら。



ありがとう。




またいつか普通にメールが
出来ますように。






好き。


何回口に出しただろう。



誰も聞いていない場所で、

友達の前で、


君に聞こえないような
小さな小さな声で。





君の知らない私の気持ちを、
何度口にしたんだろう。





時には電話で伝えようとして、


時には隣にいるときに、
さっと言ってしまおうとして。


時には、正面に立って君をみて。


時にはメールで。




いつだって機会はあって。
伝える時間はたくさんあった。




だけど今日まで言えなくて。



今日で君とはもう会えなくて。




頭ぐちゃぐちゃ。



凄い勢いで君との思い出が
頭の中を駆け巡る。



もうすぐ君を見かけることも、無くなって。



ぺこっと高い身長をおる挨拶も、低い優しい声色も、照れた顔も。



もうみれない。


見れない、会えない、
でも。



私は結局言えない。


だから、書いてきた。



君への気持ち。


一言しか思いつかなかった。

たった二文字。



これでもかっていうくらい
丁寧に書いた。







好き。









息を止めてしまうくらい、
真剣に書いた。






ドレスコードに合わせた小さなオシャレ鞄。



そこに入ったメッセージカード並みに小さい私の手紙。




手に持つ卒業証書より、
意識した。


もうすぐ式が終わる。
君を見れない明日にかわる。







式が終わって
後輩が私達の周りに
集まって、
きゃっきゃと話しかける。


中には泣いてる子もいたし、
中には連絡先を交換してる子もいた。



私はその中に埋もれて
たった一人の影を探した。




周りから頭一つでた
オシャレな君。



同級生と話す君を目の端に
捉えて、「こっちをみて」と
情けなくも願った。


胸で握りしめた卒業証書は
少し歪になったけど、
そんなの気にならなかった。