そう言って俺に一枚の名刺を差し出した。


――ウェディングプランナー
       楠木瑠楓 ――


「会いに行けば?」


「?!」


「私がこんなこと言うのはお節介だけどさ、あんたも瑠楓も5年前から一歩も動けてないのね。
私は瑠楓に‘幸せ’をもらったの。
その瑠楓に私も少しくらいお返ししたいじゃない?」

意味深な笑顔を向ける村山に
俺の中で瑠楓への想いが溢れだす。


もしかして、あいつは今も―?