「楠木 瑠楓です。
よろしくお願いします。」

二年になった新しいクラスの自己紹介で
少し俯きながら
恥ずかしそうに言う君から
目が離せなかった。


出席番号順の席、
近づくにもまだない接点。

すでに意識していた俺は
きっかけが掴めないまま
君に近づく「理由」を探しながら
君の後ろ姿を
ただ眺めるだけの毎日。