昔むかし…

この世は、神様が
支配しておりました。

神様は、海を創り、
木々を育て、生き物を
創りました。

神様は、自分の
知識を分けて
「人間」を創りました。

神様は、自分が
産まれた時に出来た
闇を遠くへ追いやりました。

生き物や人間が
安心して暮らせる様に
不安のない世界を創造
する為に闇は葬り去られ
ました。

こうして神様の
創造した光の世界は
生まれました。


光の世界が幸せに
満ちている頃、
闇に一つの命が
生まれました。

赤らんだ肌をして
頭には二本の角、
口からは複数の牙、
手には、鋭い爪…


その恐ろしい姿を見て、
神様は、それに「鬼」と
名付けました。

神様は、鬼に
決して光に触れるなと、
固く誓いをさせました。

鬼は闇の中で
ひっそりと
生きました。

長い長い年月を
一人で過ごしました。