「そういうのは好きな子にいいなさいっ」




一瞬ドキっとなった心臓に

あたしは気付かないふりして

堀北くんにそう言った。



んー、だめだ。


こういう場面は苦手かもしれない。



とりあえず気を紛らわそう。


そう想ってメニューに

手を伸ばした瞬間だった。




「俺、軽く言ったつもり、なかったんだけど?」




腕に違和感を感じ、見てみると

堀北くんに掴まれている。